一般内科(かぜ、腹痛など)への取組みと症例

【メタボリック・シンドローム】
メタボリック・シンドロームとは、肥満により内臓脂肪が多くなった状態です。 この状態が持続すると、血液中の脂肪成分が多くなる高脂血症や、 内臓脂肪から分泌されるサイトカインでインスリンの感受性が低下して起こる糖尿病や、 交感神経の緊張や腎臓からのナトリウム再吸収が増加して起こる高血圧を合併して、 最終的に動脈硬化性の疾患(脳梗塞、心筋梗塞、腎不全など)をきたす危険があります。 それ程太っているようには見えない人でも内臓脂肪が多い場合があり、 また自覚症状がないため放置してしまうのが問題です。

この疾患を治療する上で一番大切なことは、現在の自分の健康状態を気づくことです。 当院ではbaPWVから血管年齢を推定したり(40代の人でも血管年齢70台という場合があります)、 頚動脈エコーで動脈硬化の程度を見たり(頚動脈の動脈硬化病変から脳梗塞を起こす場合があります)、 シミュレーション・ソフトを使って10年以内に心血管系の合併症が起こる確率を検討したりして、 早めに健康状態に気づいてもらい生活習慣の改善や治療の動機付け・継続への意欲を持ってもらうよう考えています。